ヤンキースのイチロー外野手(40)は6日(日本時間7日)、ブルージェイズ戦に「8番・右翼」で出場し、4打数1安打3三振。 3戦連続安打で打率
を・462としたが、昨年9月5日のレッドソックス戦以来となる1試合3三振を喫した。試合は、ヤンキースが6-4で勝ち、勝率を5割に戻した。
どよめいた。敵地ファンがイチローのパフォーマンスに魅了されたのは六回の守備だ。2死一塁の場面で右前打を処理し、流れるような動きから三塁へ強肩を
発動した。だれも予想しなかったレーザービーム。送球がダイレクトで三塁手のソラルテのグラブに収まるとスタンドからは驚きの声。ブルージェイズびいきの
はずのトロントの中継局がリプレーを流し、背番号31にズームインするほど、際立つプレーだった。
試合後のクラブハウス。イチローは笑みを浮かべて振り返った。
「遊んでるだけです。(走者が三塁へ)行かないのわかってるし。あっ、ちょっと高く行っちゃったな、ぐらいの感じだから」。
『遊び』という言葉を使った理由を「僕にとっては特別なプレーではないから。人がどう思うかっていうのは、要は、自分の感覚よりもいいプレーが出たとき
にそういうこと(どよめきなどの反応)が起こるのは当然だと思うけど、僕の中では全部、範囲内。だから、遊べる。自分の力以上のものが出る人は遊べないか
ら」と説明した。
六回に右前打で出塁した際には二盗に成功した。ところが、二塁塁審の「セーフ」の判定に対し、敵軍ベンチは異議を唱え、ビデオ判定を求める“チャレンジ”を使用した。
「正直、僕は(セーフかどうか)わからなかった。タッチされた感覚もよくわからなかったし、きわどいのはわかった。見てはっきりしようよっていう感じにはなる」。
4日の試合でもヤンキース史上初の“チャレンジ”で二塁内野安打を確定させているイチロー。2分40秒の中断の間は二塁上で敵軍二塁手のイズタリスとの会話を楽しんだ。判定は覆ることなく、セーフのまま。イチローの今季初盗塁が記録された。
今季は開幕2試合をベンチで過ごしたイチローは3日と4日の試合に出場し、計9打数5安打4得点。4日の試合後には「体がバリバリ」と明かし、出番のな
かった前日は試合後にマッサージを受けて肉体をリフレッシュさせた。打って、走って、守って。イチローが出場した3試合ですべてチームが勝っているのは決
して偶然ではない。